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CHAPTER 7 売る 読む目安 約5分 / ⚡暗記ボックス 4

売る|接点をつくる

この章の狙い

要点: 売れない原因の大半は、提案の質ではなく接点の数と相手の選び方にある。誰に、どの経路で、何件当たるかを先に決める。

技術を磨いても、話す相手がいなければ売上は立たない。逆に、相手さえ間違えなければ、提案が多少荒くても話は進む。

この章は、営業の入口だけを扱う。相手の選び方、調べ方、最初の一手、そして量を回す仕組みである。

  • 📘 見込み客:買う可能性があり、こちらから接触できる相手。名前と連絡先が分かっている状態を指す。
  • 📘 アウトバウンド:こちらから声をかけて接点を作る方法(DM、メール、紹介依頼)。
  • 📘 インバウンド:相手から来てもらう方法(発信、検索、口コミ)。効き始めるまでに時間がかかる。

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型7-1 誰に声をかけるかを、3つの条件で決める

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

「誰でもいい」で送ると、返信率も成約率も落ちる。先に条件を3つだけ決める。

⚡ 相手を絞る3条件

  • 困っている — こちらが解決できる課題を、いま持っている
  • 払える — その課題にお金を使える規模と余裕がある
  • 決められる — その人が決裁できる、または決裁者に近い

3つのうち1つでも欠けると、話は進んでも決まらない。とくに「決められる」を軽く見ると、良い商談が最後で止まる。

実践:条件を自分の言葉で書く

⊳ この節の問題を解く(1問)

抽象的なままでは、リストを作るときに手が止まる。次のように具体化する。

条件 抽象的な書き方 具体的な書き方
困っている 業務が非効率な会社 請求書を手作業で作っている、従業員10〜30人の会社
払える 予算のある会社 月商500万円以上、または広告を出している
決められる 決裁者 社長、または管理部門の責任者

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右の形になっていれば、見た瞬間に候補かどうか判断できる。 判断に迷う条件は、条件として機能していない。

⚠️ 相手選びでやりがちな失敗

  • 話しやすい相手(友人、同業者)ばかりに声をかける
  • 大手ばかりを狙い、決裁までの距離を見ていない
  • 条件を4つ以上にして、該当者がほとんどいなくなる

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型7-2 3分で調べてから話しかける

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

調べずに送った文面は、送っていることが相手に分かる。逆に、3分調べるだけで文面は変わる。

⚡ 3分で見る5か所

  • 直近の投稿や更新(何に力を入れているか)
  • 事業の内容と規模(誰に何を売っているか)
  • 求人の有無(増やしたい部署が分かる)
  • 問い合わせや予約の導線(詰まっている場所が見える)
  • 共通点(地域、出身、業種、知人)

全部は要らない。1つ具体的な事実を拾えれば足りる。 その1つを最初の連絡に入れる。

実践:拾った事実を1行にする

拾った事実 文面に入れる形
先週、新メニューの投稿をしていた 「先週の新メニューの投稿を拝見しました」
求人で事務職を募集していた 「事務の方を募集されているのを拝見しました」
予約が電話のみだった 「ご予約がお電話のみのようでしたので」

褒めるためではなく、選んだ理由を示すために書く。 大げさな賞賛は、かえって定型文に見える。

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型7-3 経路を選ぶ

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

接点の作り方には、それぞれ性質がある。確度と手間、そして出せる量が違う。

確度 高い ↑ 出せる量 少ない 多い 紹介 確度は最も高いが数は少ない 発信 3か月ほど遅れて効く 個別のDM・メール 数を出せる。1件ずつ調べる 交流会 地域や業種が限られるとき すぐ効く経路と、遅れて効く経路を1つずつ持つ。
接点の経路ごとの確度と量
経路 確度 出せる量 向いている場面
紹介 高い 少ない 実績が1件でもあるとき
個別のDM・メール 中 多い 相手を特定して調べられるとき
発信(インバウンド) 中〜高 遅く効く 3か月以上続けられるとき
交流会・イベント 中 少ない 地域や業種が限られるとき

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最初は紹介と個別のDMを並行させる。 発信は効くまで時間がかかるので、今月の売上には間に合わない。ただし始めておかないと、3か月後も同じ状態になる。

実践:今月やることを2つに絞る

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

4つ全部を同時に始めると、どれも量が足りずに終わる。

  • 今月の売上を作る経路 — 紹介、個別のDM(すぐ効く)
  • 3か月後のために続ける経路 — 発信(遅れて効く)

この2本立てが基本になる。遅れて効く経路を止めると、いつまでも足元の営業だけを続けることになる。

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型7-4 量を回す仕組みを作る

⊳ この節の問題を解く(2問・1枚)

接点は、気が向いたときにまとめて作るものではない。毎日少しずつ、決まった時間に作る。

⚡ 量を回す4つ

  • 1日の件数を決める — 5件など、確実に終わる数にする
  • リストを先に作る — 送る直前に相手を探さない
  • 型と個別を分ける — 共通部分は型、1〜2行だけ相手ごとに書く
  • 記録を残す — 送った日、返信、次の行動

型を使うことは手抜きではない。個別部分を書く時間を確保するために、共通部分を固定する。

実践:リストは前日に作る

⊳ この節の問題を解く(1枚)

送る作業と、相手を探す作業を同じ時間に置くと、探すだけで終わる。

作業 置く場所
リストを作る(20件) 回す枠(夕方・低い時間帯でよい)
調べて送る(5件) 会う枠の前後、または午前

探す作業は疲れていてもできる。 書く作業は頭が動く時間に置く。第1章の並べ方が、そのままここで効いてくる。

⚠️ 量を回すときにやりがちな失敗

  • 完全に同じ文面を一斉に送る(規約違反になる場合があり、返信も来ない)
  • 送った記録を残さず、同じ相手に二度送る
  • 反応が悪いと3日でやめる(判断に足りる数を送っていない)

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型7-5 紹介を頼む

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

紹介は、最も確度が高く、最も頼まれていない経路である。多くの人は「頼むと図々しい」と考えて頼まない。

⚡ 紹介の頼み方

  1. タイミング — 相手が満足を口にした直後(納品直後、感謝の連絡が来たとき)
  2. 対象を具体的に言う — 「どなたか」ではなく「◯◯で困っている方」
  3. 相手の手間を減らす — 紹介文の下書きをこちらで用意する
  4. 断りやすくする — 「思い当たる方がいなければ、お気になさらず」

2番目が要点である。「誰か紹介してください」では、相手は考えるコストを負う。 条件を具体的に言うと、頭の中で検索が働く。

実践:紹介を頼む一文

⊳ この節の問題を解く(1問)

「もし、月末の請求作業で同じように困っている方がいらっしゃったら、お名前だけ教えていただけませんか。こちらからご連絡します。思い当たる方がいなければ、お気になさらないでください。」

この一文には、対象・こちらの動き・断りやすさの3つが入っている。紹介してくれた相手には、必ず結果を報告する。 報告がないと、次から紹介は来ない。

実践:最初の連絡の悪い例と直し方

同じ相手に送っても、書き方で結果は変わる。

悪い例

「はじめまして。私は◯◯というサービスを提供しております。SNS 運用、広告運用、ホームページ制作など幅広く対応可能です。ご興味がありましたら、一度お打ち合わせのお時間をいただけないでしょうか。実績も多数ございます。」

問題は3つある。誰にでも送れる文面であること、できることを並べただけで相手の得が書かれていないこと、次の一歩が大きいことである。

直した例

◯◯を拝見しました。ご予約がお電話のみのようでしたので、ご連絡しました。 同じ規模の飲食店さんで、予約の取りこぼしが月20件ほど減った例があります。 15分だけ、いまのご予約の流れを伺えませんか。不要でしたらお返事は不要です。

直した例には、選んだ理由・相手の得・小さな次の一歩・断りやすさが入っている。長さはむしろ短い。

⚠️ 最初の連絡でやりがちな失敗

  • できることを列挙する(相手には選びようがない)
  • 「一度お打ち合わせを」から入る(60分を求めている)
  • 実績を数だけ書く(相手に関係のある実績かが分からない)

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この章の型が効かない条件

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

規約や法令に反する形の一斉送信はしない。 各サービスの利用規約や、広告メールに関する法令に触れる送り方は、成果以前に事業を止めるリスクがある。個別に調べて送る形を守る。

実績が1件もない段階では、紹介は頼めない。 頼む相手がいないためである。この時期は、無料または低価格で1件受けて事例を作るほうが速い。ただし無料の仕事を続けない。事例が1〜2件できたら通常価格に戻す。

相手の業種によって、届く経路は違う。 SNS を使っていない業種に DM を送っても届かない。電話や紹介が主流の業界もある。経路は、相手がいる場所に合わせて選ぶ。

忙しい時期の相手には当たらない。 決算期、繁忙期、年末年始は返信率が落ちる。返事が来ない理由が時期である場合も多いので、断られたと決めつけずに時期を変えて再訪する。

⚡ 第7章の通過チェック

  • 相手を絞る3条件を、自分の言葉で具体的に書いてある
  • 3分リサーチで見る5か所を覚えている
  • 今月の経路を2つに絞ってある(すぐ効く/遅れて効く)
  • 1日の接点件数と、リストを作る時間を決めてある

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次章へ

接点ができたら、次は話を聞く場面である。第5章の聴く技術を、営業の場で使う形に組み直す。次章ではヒアリングと課題定義を扱う。

読了の記録はこの端末の中だけに残ります。

📗 読み終えたら、この章の問題で理解を確かめましょう。

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